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月別アーカイブ: 2025年6月

窓まわりの省エネ対策 ― 内窓・Low-Eガラス・遮熱フィルムをどう選ぶ?

みなさんこんにちは。
株式会社谷山建設、更新担当の岡です。

前回は「断熱材で光熱費を賢く削減!」をテーマに、壁・屋根・床の断熱リフォームを解説しました。
今回は、家の中で最も熱が出入りしやすい「窓」にフォーカスし、
内窓(インナーサッシ)・Low-E複層ガラス・遮熱フィルム の三つを表を使わずに比較しながらご紹介します。


1 窓の断熱が重要な理由

  • 冬は暖房熱の約50%、夏は外気熱の約70%が窓から出入りすると言われる

  • 結露やカビ、ヒートショックの発生源になりやすい

  • 窓を改善すると、壁や天井に手を付けなくても体感温度が大きく変わる


2 対策その1:内窓(インナーサッシ)

仕組みと特徴

  • 既存サッシの内側にもう一つ窓枠を設置し、空気層を作って断熱・遮音

  • アルミより熱を伝えにくい樹脂フレームが主流

メリット

  • 施工は半日ほどで完了、壁を壊さない

  • 冷暖房効率アップ+結露激減

  • 防音効果が高く、交通量の多い地域にも最適

注意点

  • 窓枠に奥行き(70~80 mm程度)が必要

  • 開閉の手間が二重になるため、頻繁に出入りする窓は検討が必要

おおまかな費用感

  • 腰高窓1か所でおよそ3〜6万円(サイズとガラス種で変動)

DIY可否

  • メーカーのキットを使えば日曜大工レベルでも取付可能。ただし寸法取りがシビアなので、採寸に自信のない場合はプロ採寸を推奨。


3 対策その2:Low-E複層ガラス交換

仕組みと特徴

  • 2枚以上のガラスの間に空気やアルゴンガスを封入し、片面に金属コーティング(Low-E膜)を施した高断熱ガラス

メリット

  • ガラス交換のみで室内側の見た目はそのまま

  • 太陽熱取得型・遮熱型の2タイプから地域や方角で選べる

  • 内窓が取り付けられない狭い窓枠にも対応可

注意点

  • 既存サッシの型によってはガラスのみ交換できないケースあり

  • コストは内窓より高め

  • 施工は専門業者必須、ガラス納期がかかる場合あり

おおまかな費用感

  • 腰高窓1か所で5〜10万円(ガス封入・特殊膜の有無で変動)


4 対策その3:遮熱・断熱フィルム

仕組みと特徴

  • 既存ガラス面に薄いポリエステルフィルムを貼り、赤外線や紫外線をカットして室温上昇を抑える

メリット

  • 施工時間が短い(腰高窓1枚で30分〜1時間)

  • 夏の冷房負荷を下げ、紫外線88〜99%カットで家具の日焼け防止

  • 賃貸でも剥がせるタイプを選べば原状回復可能

注意点

  • 冬の断熱性能は内窓・Low-Eガラスより劣る

  • 網入りガラスには貼れない、または熱割れリスクがある

  • 価格が安価なフィルムは可視光がギラつくことがある

おおまかな費用感

  • DIY用フィルム:1窓あたり数千円

  • 業者施工タイプ:1㎡あたり1万円前後


5 選び方の目安(文章版チャート)

  1. 最優先は結露対策+防音も欲しい
     → 内窓が効果大

  2. 既存サッシを残したまま最高クラスの断熱を目指す
     → Low-E複層ガラス交換

  3. 夏の西日が強く冷房が効かない/賃貸なので大掛かりな工事は不可
     → 遮熱フィルムを検討

  4. 冷暖房費をとにかく下げたいが予算が限られる
     → 南面・西面は遮熱フィルム、北面・寝室は内窓など“合わせ技”がコスパ◎


6 補助金・減税情報(2025年版)

  • 国の「先進的窓リノベ」事業は内窓・ガラス交換・フィルムいずれも対象

  • 補助額は性能区分とサイズで変わり、ガラス1枚あたり数千円〜6万円程度

  • 申請は工事完了後ではなく“着工前に事前登録”が必要なので、必ず工務店に確認を


7 施工前にチェックしておくポイント

  • 採寸は“サッシ内寸”か“ガラス外寸”か、メーカーの指示を必ず確認

  • 網入りガラス・複層ガラスはフィルム施工制限がある

  • 断熱材やエアコンの能力とのバランスを考え、窓だけに過度な期待を寄せない

  • 見積り時に「性能証明書」をもらい、補助金申請書類に使えるか確認


まとめ

窓まわりのエコ対策は、省エネ・健康・快適性 を同時に高める最重要リフォームです。
内窓、Low-E複層ガラス、遮熱フィルム――どれも一長一短なので、

  • 予算

  • 断熱性能

  • 工期・施工性

  • 住まい方(賃貸/持ち家)

  • 将来のメンテナンス

これらを総合的に考えて最適解を選んでみてください。


次回予告

第3回は 「エコ塗料と太陽光反射コーティングで屋根&外壁を長寿命化」 をお届けします。真夏の室温上昇を抑える遮熱塗料の実力や、DIYでできる下地チェック方法も詳しく解説予定ですのでどうぞお楽しみに!

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

DIYでやりがちな失敗とリカバリー術

みなさんこんにちは。
株式会社谷山建設、更新担当の岡です。

前回は「お部屋が見違える!自分でできる簡単リフォーム事例集」をお届けしました。

今回は、実際にDIYを進める際につまずきがちな 失敗ポイント復旧テクニック を徹底解説します。

ありがちなトラブルを【壁紙】【塗装】【床材】【造作家具】【安全対策】の5カテゴリに分けて紹介し、最後に 保存版・20項目チェックリスト もご用意しました。ぜひ、ブックマークしてご活用ください。


1. 壁紙DIYの失敗&リカバリー

1-1 よくある失敗と原因

  • 空気が入ってポコポコ膨らむ
    └ スムーサー不足/糊ムラ

  • 継ぎ目が開く・浮く
    └ 糊不足/下地ホコリ/ブック時間不足

  • コーナー(入隅・出隅)がはがれる
    └ カット寸法不足/押さえ不足

  • 柄合わせがズレる
    └ 柄合わせ確認不足/壁紙の伸縮

1-2 リカバリーテクニック

  1. 空気抜き

    • 針で小さな穴を開け、スムーサーで中央→外側へ空気を押し出す

    • 目立つ場合は水性パテで穴埋め → 乾いたら軽くふき取る

  2. 継ぎ目再圧着

    • 継ぎ目をめくり壁紙用ボンドを薄く塗布

    • ジョイントローラーで圧着し、マスキングテープで24h固定

  3. 柄ズレ対処

    • アクセント棚・額縁・ウォールステッカーで“意図的デザイン”にしてカバー


2. 塗装DIYの失敗&リカバリー

2-1 ありがち失敗と原因

  • ムラ・垂れジミ
    └ 厚塗り/希釈不足

  • 気泡・ピンホール
    └ ローラーに力をかけ過ぎ/撹拌不足

  • 乾燥不良・べたつき
    └ 通気不足/高温多湿/油分残り

  • 下地透け
    └ 下塗り不足/薄塗りし過ぎ

2-2 リカバリー術

  • ムラ・垂れ → 乾燥後 #400 ペーパーで研磨 → 粉を除去 → 希釈率を守り薄塗り2回

  • 気泡 → 乾燥後ペーパーでならし、必要ならスポット塗装

  • 乾燥不良 → 扇風機+除湿機で強制乾燥。完全硬化を待って重ね塗り


3. 床材(フローリング/クッションフロア)の失敗&リカバリー

3-1 主な失敗と原因

  • 反り・浮き
    └ 下地凹凸/接着剤ムラ/乾燥前の歩行

  • 継ぎ目の段差
    └ 基準線なしで貼付け/温湿度変化

  • すき間が生じる
    └ 水分抜けによる収縮/温度差で伸縮

3-2 直し方

  1. 反り・浮き

    • 注射器で床用ボンド注入 → 当て板+重しで24h固定 → 端を同色コーキング

  2. 段差補正

    • ずれた列を剥がし、墨つぼで基準線を打ち直して再貼り付け

  3. すき間充填

    • 木部パテを充填 → 乾燥後に同色オイルでなじませる


4. 造作家具・棚の失敗&リカバリー

  • 棚が水平にならない/ぐらつく

    1. 下地探しで柱位置マーキング

    2. 長めのビスで再固定

    3. 水平器で確認し、必要ならスペーサーで微調整

  • ビス頭がめり込む・割れる

    • 木部パテで埋め → 乾燥後研磨 → 同色塗装で目立たなくする


5. 安全対策の失敗&リカバリー

  • 保護メガネ未着用 → 飛散物で目を傷める
    → 必ず装着。入った場合は流水で洗い医療機関へ

  • 手袋未装着 → 切創・薬品かぶれ
    → 耐切創グローブやニトリル手袋を用途別に使う

  • 不安定な脚立使用 → 転倒
    → 角度70度・水平床を確認。脚立上で体をひねらない

  • 延長コード散乱 → つまずき・感電
    → コードは壁際に固定。可能ならコードレス工具を利用


6. 失敗防止!20項目チェックリスト

  1. 計測は「二度測り一度切る」を徹底

  2. 床・家具の養生は万全か

  3. 下地の凹凸をパテで平滑にしたか

  4. 施工面は乾燥・脱脂済みか

  5. 温度15〜25℃・湿度60%以下を確保したか

  6. 道具・材料を事前にそろえたか

  7. 刃は新品または折ったてで切れ味良好か

  8. 塗料は指示通り撹拌・希釈したか

  9. 壁紙はブック時間を守ったか

  10. 墨つぼ/レーザーで基準線を引いたか

  11. ローラーは軽い力で「W塗り」を意識したか

  12. 完全乾燥前に荷重をかけていないか

  13. ビス径・長さは材厚+下地厚を考慮したか

  14. 水平器で水平・垂直を確認したか

  15. 電源コードは邪魔にならない位置か

  16. 保護メガネ・手袋・マスクを着用したか

  17. 換気を十分に行っているか

  18. 余った塗料・糊は密閉し火気を避け保管したか

  19. 道具を清掃し刃物にカバーを付けたか

  20. 施工写真やメモを残し次回に活かせるか


まとめ

DIYの失敗は経験値の証し。ただし 「下地準備」「正確な計測」「丁寧な養生」 の三原則を守れば、失敗確率は激減します。もしミスしても、本記事のリカバリー術でほぼ修復可能です。焦らず、安全第一でDIYを楽しみましょう!


次回予告

次回は 「プロと一緒に仕上げる“セミDIY”のすすめ」
DIYの楽しさとプロの安心感を両立させる最新リフォームスタイルをご紹介しますので、どうぞお楽しみに!

最後までお読みいただき、ありがとうございました。